日本古来の武道として知られる剣道。ではその歴史はどれくらい古いのでしょうか。
わたしたちが思い浮かべる剣道の歴史はじつはそれほど古いものではなく、明治に入ってから。武士階級が消滅し、剣術が廃れようとしていくなか、その振興を目指して「大日本武徳会」という組織が発足したのが現在の剣道の源流とされています。その後さまざまな流派を統合、1920年に剣術の名称を正式「剣道」と改め、全国的な普及を目指すことになります。
その以降、剣道は心身を鍛錬する手段として幅広く浸透していきました。第二次大戦後、GHQによる学校での剣道廃止の命令や大日本武徳会の解散などさまざまな逆風が吹きましたが、1952年には全日本剣道連盟が設立、さらにGHQの占領状態が終了し、剣道禁止の命令も解除されたことで復興が始まりました。その後現在まで、学校教育や日常の鍛錬の場として、剣道は多くの人たちの間で愛好されています。
とはいえ、その源流は精神を重視する「武士道」にさかのぼります。剣術が人殺しの手段ではなくなった江戸時代において、心身の鍛錬の方法として竹刀で打ち合う稽古方法が誕生しました。とくに18世紀前半に活躍した長沼四郎左衛門国郷による「打ち込み稽古」は現在の剣道の直接の原型とも言われています。
このように、剣道には武士という日本独自の階級が生み出した剣術、美的感覚が強く受け継がれている競技です。剣道を楽しむ際にはその歴史の重みも実感しながら行ないたいものです。